【三国志ツアー】曹魏の城を歩く-許昌・洛陽の旅-

はじめに

令和元年6月8・9日、河南省に残る三国志遺跡をめぐる城ガール隊オフ会が行われました。城ガール隊は城マニアの集まり。ですので、三国志遺跡のなかでも”お城”を中心に見学しました。ここでは参加者のリアルタイムTweetを紹介しながら、簡単なレポートを書きます。

許昌博物館

6月7日。
20:00、西安駅で集合し、駅近くのレストランで西安グルメを食べました。


この日は、西安駅近くのホテルに泊まりました。

6月8日。
05:30にホテルをチェックアウトし、タクシーで西安北駅へ。
西安北駅07:02発の列車に乗車。許昌東駅09:46に到着。
許昌東駅からチャーター車に乗り込み、許昌博物館へと向かいました。この博物館は、三つのコーナーからなる大きな博物館で、中でも曹操時代の展示が充実していました。

漢魏許都故城周辺遺跡分布図
漢魏許都故城周辺遺跡分布図

許昌博物館を後にし、オフ会最初の城・許都城へ。

許都城(漢魏許都故城)

許都城は、内城1.5km、外城7.5kmの後漢末期の都城で、曹操が献帝を迎え入れた城として知られています。献帝が祈りを捧げた場所と伝わる敏秀台がありました。


許都城見学後、麺料理店でランチ。

漢張公祠

食後、漢張公祠を訪れました。この祠は、蜀将・張飛を祀る施設です。中に入ると、中央に張飛像、右手に劉備像がありました。


続いて張遼城へ。

張遼城(沃城城址)

張遼城は、魏将・張遼が駐屯した城と伝わっています。おおよその位置しか分からないままの訪城となりましたが、運転手さんが地元の方に聞いてくださり、たどり着くことができました。


続いて魏文帝廟へ。

魏文帝廟(高廟)

この廟は、魏の文帝・曹丕を祀る施設です。残念なことに、中に入ることができませんでした。


夜は、運転手さんおすすめのレストランで中華料理をいただきました。


この日は、武則天ゆかりの天堂・明堂の近くのホテルに泊まりました。チェックイン後、明清洛陽城内の夜市を散策しました。

洛陽城(漢魏洛陽故城)

6月9日。
8:30にホテルをチェックアウトし、洛陽城へ向かいました。
こちらは、後漢、曹魏、西晋、北魏の都城で、外城のうち、東城壁3.9km、西城壁4.3km、北城壁3.7kmが今も残っています(南城壁は消滅)。私たちは、東城壁〜北城壁を中心に見学しました。


またこの城は、世界文化遺産「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」を構成する遺跡のひとつです。


昼食は、この地域の野草を使った麺料理をいただきました。

函谷関(漢函谷関遺址)


食後、洛陽八関のひとつ・函谷関を訪れました。私たちが訪れたのは漢代の函谷関で、こちらも世界遺産「シルクロード」を構成する遺跡のひとつです。マンガ『キングダム』で有名な秦代の函谷関は、ここから西へ130kmの地点にあります。

定鼎門(隋唐洛陽故城)

洛陽市内に戻り定鼎門へ。この門は、隋唐代の洛陽城の城門のひとつで、発掘調査で姿を表した礎石列を見学しました。こちらも世界遺産「シルクロード」を構成する遺跡のひとつです。


洛陽龍門駅17:52発の列車に乗車。19:19西安北駅に到着。
西安北駅到着後、地下鉄に乗り、西安市中心部の回民街へ。こちらで晩ごはんを食べたり、お土産を購入したりしました。


回民街から地下鉄に乗り、初日と同じホテルへ。チェックインを済ませたところでオフ会終了。翌日は、フライト時間まで自由散策としました。

おわりに

幸い大きなトラブルはなく、充実したオフ会となりました。しかし、三国志の城めぐりはハードルが高いということが分かりました。言語の壁はもちろん、

・参考となる資料が少ない
・資料に載っている城が今も残っているか分からない
・外国人立入禁止の場所がたくさんある→確認しなければならない
・外国人宿泊不可のホテルがたくさんある→確認しなければならない

この他、WeChatPayやAlipayを使ったQRコード決済、ニーハオトイレも日本人にはハードルが高いかもしれません。それでも「三国志ゆかりの城に行ってみたい!」という方は、次回の三国志オフ会に参加してみてはいかがでしょうか。
〈当オフ会は、以下の資料を参考にしました〉
佐川英治「曹魏太極殿の所在について」『岡山大学文学部プロジェクト研究報告書』15巻(2010年1月)
塩沢裕仁「函谷関遺跡考証―四つの函谷関遺跡について―」『東洋文化研究所紀要』第169册(2016年3月)
譚其驤『中国歴史地図集』中国地図出版社(1982年1月)
国家文物局『中国文物地図集・河南分冊』中国地図出版社(1991年1月)
愛宕元『中国の城郭都市:殷周から明清まで』中央公論社(1991年3月)
塩沢裕仁『千年帝都 洛陽―その遺跡と人文・自然環境』雄山閣(2010年1月)

 

 

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夕里

夕里

執行部koreancastle.com
韓国在住、ときどき日本。韓国お城情報サイト『倭城ナビ』を運営。2015年、現存するすべての倭城を踏破。「ドローンにハマっています」古代山城研究会会員。